南昌荘 (なんしょうそう) といいます。
盛岡出身の実業家で「みちのくの鉱山王」とよばれた瀬川安五郎 (せがわ・やすごろう) の邸宅として、明治18年頃に建てられました。
その後は何度も所有者が変わっています。
所有者が変わるたびに増築や減築が繰り返されたとか。かつては米蔵4棟や文庫蔵があり、非常に広い邸宅だったそうです。
昭和後期、この場所にマンションが建つ計画が持ち上がったことも・・・
現在は「いわて生協」が所有し、邸宅内部が有料で一般公開されています。ドラマや映画のロケに使われることも多数。
それでは邸宅内部へ・・・
毎年恒例「南昌荘のひなまつり」が開催中です。
一般の人から貸与されたおひな様がたくさん飾られています。盛岡市内のひなまつり展では一番有名かもしれません。
松鶴の間へ。
こちらの部屋には、古い時代のおひな様が飾られています。
享保びなです ↓↓
江戸中期の享保年間 (1716年~1736年) 頃に流行したジャンボサイズ。享保限定ではなく、明治時代まで作られていたとか。
押し絵びなの段飾りもあります ↓↓
ひな人形が高価すぎた時代、比較的安く購入できたとか。
続いては御殿飾り ↓↓
今放送している大河ドラマみたい・・・と思ってしまいました。
江戸後期から昭和前期まで、関西を中心に作られていたそうです。日本版ドールハウスといったところでしょうか。
古い時代のおひな様だらけということで、男びな女びなの飾り方も様々。
向かって左が男びな、右が女びなというのが基本ですが、かつては逆でした。向かって右 (本人達からすれば左) が上席とされていたからです。
この考え方は明治以降、西洋文化が入ってきたことで変化します。現在の飾り方が定着したのは、昭和天皇・皇后の即位式の並びからだそうです。
江戸時代まで都だった京都では、昔ながらの飾り方が受け継がれています。
岩手県内ではおなじみ、花巻人形のおひな様です。
続いて南昌の間へ。
休憩スペースになっていて、おひな様を見ながら抹茶やお菓子を楽しめます。
広い部屋なのですが、お客さんがたくさんいたので写真は一部だけ。
米粒、きび粒、ゴマ粒、つまようじを使ったおひな様が飾られていました。
窓の外は大きな池や茶室がある庭園です。
新緑、紅葉、雪景色・・・四季折々の美しさが楽しめます。(11月に行われる紅葉のライトアップは人気)
外に出て見学もできます。今年は雪もなく味気ないので、また別の機会に。
香葉の間へ。
こちらも休憩スペースになっています。
最後は水月の間へ。
近代的なおひな様が飾られています。
超高そうな段飾り ↓↓
つるし雛もたくさん。
こちらの部屋で撮影していたら、スマホカメラが不思議な光り方をしました。
座敷童の仕業でしょうか・・・
【所在地】盛岡市清水町13-46
【開館時間】
- 夏季 (4/1~11/30) 10時~17時
- 冬季 (12/1~3/31) 10時~16時 ← 今はコチラ
【定休日】毎週月曜 (祝日の場合は開館)・火曜・年末年始
【入館料】大人 300円・小中学生 150円
※「南昌荘のひなまつり」は3月3日 (日) まで
詳しくは公式サイトで ↓↓