鉈屋町 (なたやちょう) といいます。
奥州街道、宮古街道、遠野街道が合流し、盛岡城下南の玄関口となる重要な町でした。
町の南側には北上川が流れています。昔の盛岡は、川を使って舟で荷物を運ぶ「舟運」が盛んでした。その起点となった場所でもあります。
また良質な清水が湧くことから、酒蔵が多く建てられました。
今でも古い町並みが残り、保存活用されています。その多くが「町家造り」という昔ながらの店舗併住宅です。
現在は住宅のみで使われている町家がほとんど。
こちらは「大慈清水」という共同井戸 (湧水) です。
近年、町家をリノベーションしたお店が増えています。
代表的なのが・・・
「町家サロン ピッピ」というカフェ。
先日紹介した「つるし雛」を提供したお店です ↓↓
上の記事にも書いたのですが、盛岡が舞台の朝ドラ主題歌を担当した某大物アーティストが訪れるお店なんです!
店内には写真が飾ってあり、ファンが聖地巡礼で来店するそうです。
こちらの店先には・・・
お雛様が飾られています。中には豪華な段飾りがありました。
別のお店にも・・・
「旧暦の雛祭り」(4月) に向けて飾られています。盛岡の3月3日は春にはほど遠いため、旧暦で祝う家も多かったそうです。
鉈屋町は盛岡観光でも人気のスポット。案内所が併設された「もりおか町家物語館」があります。
町の歴史を紹介するコーナー、売店や喫茶スペースなどがあり、町歩きの休憩スポットとしても最適です。
ホールがあるので、コンサートが開かれたりもします。
2006年まで酒造りが行われていた「旧岩手川鉈屋町工場」の酒蔵を改修。2014年にオープンしました。
ちなみに「岩手川 (いわてがわ)」とは日本酒の銘柄です。残念ながら現在では製造されていません。
余談ですが、「心の酒です、岩手川~♪」というCMソングのフレーズは、一昔前の岩手県民にはおなじみでした。(子どもが歌っているほど)
懐かしいと思った方、興味がある方はどうぞ ↓↓
施設の中心である母屋跡へ。
こちらにもお雛様が飾られています。
施設内別の場所にも。
そして、この時期に一番紹介したいのが・・・
たくさんの絵本がある屋根裏部屋です。
東日本大震災が発生した数日後、被災地の子ども達に全国から寄せられた絵本を贈る「3.11 絵本プロジェクトいわて」が発足しました。
活動は10年間続き、2021年3月に終了しています。
活動が終わっても震災を風化させてはいけないと、この場所に「絵本の小部屋」が作られました。
こちらは送られてきた段ボールに書かれていたメッセージ。
全国から届いた応援の言葉もしっかりと保存されています。
【所在地】盛岡市鉈屋町10-8
【開館時間】9時~19時
【休館日】毎月第4火曜日・年末年始
【入館料】無料
【公式サイト】